「叱る」と「怒る」の違いとは?、正しい叱り方と時には「怒る」も必要

「叱る」と「怒る」の違いは何でしょうか?

上司から部下に対して「叱る」ことはありますが
その逆、部下から上司に対して「叱る」ということはないですよね。

このページでは「叱る」と「怒る」の違いについて説明し
正しい叱り方、場合によっては「怒る」ことも必要ということをお話します。

部下を持つ上司の方、子どもを持つ親御さんなどご参考にしてください。

「叱る」「怒る」の意味は何でしょうか?

まずは参考としてgoo辞書から意味を引用いたします。

「叱る」「怒る」共に同じ意味として

相手の非をとがめ、きびしく注意する。

とありました。
さらに使い分けの説明として以下のように補足しています。

「叱る」は、相手の非を指摘、説明し、きびしく注意を与える意。
腹をたてているわけではないので、「優しく叱る」という表現も可能。
「怒る」は、腹をたてて相手に注意する意なので、「優しく怒る」とはいえない。

さらに詳しくそれぞれをみていきましょう。

「怒る」とは?

「怒る」と書いて、「おこる」と「いかる」と2つ読めます。

おこるとき、いかるときは、感情を持っています。
なので「怒る」は、感情を持った行動になります。

感情のエネルギーを含んでいるので、良くも悪くも相手に伝わりやすいです。
怒るほうも嫌な感情を引きずってしまいます。
力により相手に言うことをきかせるやり方です。

だから多くのケースで、「叱るようにしましょう」といわれます。

「叱る」とは?

東洋大学の鈴木崇之教授の言葉を借りると
『目下の者の言動のよくない点などを指摘して、強くとがめる』

叱咤激励という言葉があるように、励ます意味の場合もあります。

「叱る」に必要なのは
「注意する」そして、合理的に論理的に説明し、相手の行動がいけないことだと理解を促すことです。

説明する→しつけする(ルールを守り習慣づける)→注意する→叱る→怒る
の順にきつくなります。

「怒る」も必要なとき

指導・教育の場合、正しく叱ることが大切で
「怒る」ことはせず「叱りましょう」とよく言われますが、
必ずしも叱るだけでは物事が進まないことがあります。

何度叱っても・・・態度が悪い、姿勢が悪い、規則を守らない
などは「怒る」必要があります。

「自分はいけないことをしたのだ」と気づいてもらうために
ある程度感情を含めて伝える必要があります。

さらに自分が大切にしていることを馬鹿にされたり、汚された場合は、「怒る」べき場面です。

「怒る」は、人間の自然な感情であり行動です。

上司から部下に対して、親が子どもに対してのような、目上の人から目下の人に向けてだけでなく、誰しも「怒る」ことはします。

やってはいけない叱り方

●存在、人格、尊厳、人間性を否定する

「馬鹿野郎!」、「死ね」、「お前なんかいなくなれ!」など
存在、人格、尊厳、人間性を否定すること。
関係性を損ない、相手がメンタル不調に陥る原因になります。
パワハラとして訴えられる可能性があります。
子どもに対しては、精神的な虐待になります。

●他者と比べる

「どうしてA君みたいにできないのか?」
「Bはすぐできるんだぞ!」
のように他の人と比べることはいけません。
人それぞれ能力、性格、経験は違います。

●過去のことを持ち出す

叱っているときに「そういえば以前も失敗してたな!」
のように過去のことを持ち出して、今叱っている内容につなげてはいけません。
過去のことは、話を変えて別に話す必要があります。

●大勢の前で叱る

見せしめ、吊し上げ、戒めのように大勢の前で叱ってはいけません。
恥ずかしさ、劣等感が高まり、相手の尊厳を否定しています。

●長々とクドクド叱る

大勢の前で叱らないために個別に呼び出して叱ってよいですが、
自分の気が済まなからといって、長々とクドクド叱るのは危険です。
相手のエネルギーを奪ってしまいます。
相手の理解力がないことを責めていることになり、尊厳を否定しています。

●叱る基準が毎回違う

「以前はこの程度では怒られなかったのに、今回なぜ怒られるのか?」
「前と言っていることが違う」
「あの人と同じことをしたのに私だけ怒られた」
このように叱る基準が毎回違っていたり曖昧だと、相手は混乱し信用を失ってしまいます。

叱り方のコツ

●その場ですぐ叱る

間違ったことをしたときに、時間を置かずにすぐその場で叱りましょう。

●端的に短く叱る

前項で書いたように長々クドクド叱ると一方的に押し付けることになります。
叱っている内容が理解できなくなりますので、短く叱りましょう。

●相手の目をしっかり見て話す

コミュニケーションの基本である相手の目をしっかり見て話しましょう。

●相手の言い分も聞く

自分が一方的に叱るのだけでなく、相手の言い分もしっかり聴きましょう。
相手に喋ってもらう隙を与えましょう。

「まだスキルが身についていなかった」
「職場の教育に改善の余地がある」
「他者とのミスコミュニケーションがあった」
など改善点が見えてくるかもしれません。

●褒める

上記までのように正しく叱ることが大切ですが、時には褒めることも添えて伝えるとその後のモチベーションアップにつながります。
注意点の裏側には、相手の持っている褒めるべき良い点が見つかります。
褒め慣れていないとぎこちなくなりますが、少しずつ相手の良い点も見つめるようにしましょう。

感情のマネジメントが必要

怒る感情は、人間が持つ正常な機能です。

高まった感情を鎮めるためのアンガーマネジメントが有名になってきました。
しかし、アンガーマネジメントは元々合理的なコミュニケーションが根付いているアメリカで発祥した方法で、感情を直接コントロールするようみえて日本人には難しいと思います。(基礎的な内容は学びました)



多くの人が感情をコントロールしようとしてしまいます。
感情は出来事の産物なのでコントロールはしづらいです。

感情は直接コントロールすることは難しく
見つめるものとして観察し整理し
その場にふさわしい対処をしていきます。


ここで大変恐縮ではございますが
弊社の「感情マネジメントセミナー」を紹介させてください。

感情にコントロールされないような自分になる方法を
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以上、正しく叱って
自分も相手も快適に過ごしましょう。