
この記事は、弊社サイト「人間関係改善術」から、2015年7月22日の記事を移行してきました。
葛藤とは?
人の欲求は複数あるのが普通ですが、これらの欲求は互いに競合しあうことが多いです。
心理学者のクルト・レヴィンは
自分の内面にある2つ以上の欲求が対立している状態を
葛藤(コンフリクト)と呼びました。
そのような葛藤の状態を4つの型に区別します。
【1】接近-接近型の葛藤

2つ以上の欲求の対象が、どちらも正の誘発性をもち
両方またはすべてを満足させたいが、同時にはかなえられない状態です。
どちらかを選ぶのは比較的簡単だが
選んだほうに満足できないとき後悔することもあります。
《例》
2つの条件の良い会社に合格し、どちらの会社を選ぶか迷っている
【2】回避-回避型の葛藤

2つ以上の欲求の対象が、どちらも負の誘発性をもち
どれも避けたいがそれができない状態です。
他の型にくらべて選択に時間がかかり苦しい状態が続きます。
場合によって逃避などの行動にでます。
《例》
勉強したくないが、受験に失敗するのも嫌だ
【3】接近-回避型の葛藤

欲求の対象が同時に正と負の誘発性をもっている状態です。
怖いもの見たさがこれです。
また、負の領域を通過しなければ、正の領域に到達できない状態もこの型の葛藤です。
《例》
甘いケーキは食べたいが、太るのは嫌だ
虎穴に入らずんば虎子を得ず
【4】二重接近‐回避型の葛藤(ラザルス)

2つ以上の欲求の対象が、どちらも正と負の誘発性を持っているような状態です。
《例》
A社に入社すれば給料は高いが残業が多い。B社に入社すれば給料は安いが自分の自由な時間が持てる。
葛藤を解決するためのポイント
4つの葛藤のように問題を整理するだけでも気持ちが落ち着きます。
葛藤は自分で気づいて意識できているレベルものと、
無意識で気づいていないレベルのものがあります。
問題について
意識していること=気づいていることと
意識していないこと=気づいていないことです。
だから自分が問題に気づいているものがあれば
言語化できたり、イメージできたりします。
問題に気づいてないで
何か感情を感じていたり、モヤモヤしたものを感じている場合は
意識していないことになります。
その場合は、カウンセラーなど他の人から質問をしてもらうことで気づくケースがあります。
葛藤の解決は容易なものではなく、強い葛藤が均衡している状態が続くと
防衛機制や神経症の症状などにあらわれることもあります。
■解決法の一つ目
ロジカルに(論理的に)考えて、解決方法を探します。
この場合、理屈では解決するけど
感覚的にスッキリしないことが多いです。
感覚的にスッキリするには、フォーカシングやNLPなど専門的な知識が必要です。
■解決法の二つ目
人は冷静に欲求を見つめて、延期することができます。
我慢ができない子供がついカッとなって相手を傷つけてしまうように
欲求を延期する(我慢する)ことに慣れていないと、対象を直接攻撃してしまいます。
欲求を延期することを学習すれば、たとえ好ましくない欲求でも、違う形の欲に変えて満たすことができます。
そのことがさらに学習能力を高め、葛藤の解決に向かいます。