第39話「ニュータイプ、シャリア・ブル」

あらすじはガンダム公式Webをご覧ください。http://www.gundam.jp/story/index.html

この回のポイント

  • ニュータイプ
  • ブライトとセイラのやり取り
  • アムロとシャリアブルの戦い

この回の好きなところ

■冒頭のナレーションで語られている映像で、レビル将軍が乗った艦が入港の際、軍楽隊が演奏しながら送風機で風を送り旗をなびかせている演出が細かくて面白いです。

■ララァの「ラ、ラ」という音。こんな独特な音を使う発想が凄いです。

■ララァの攻撃で連邦軍の艦が爆発。遠方にいたホワイトベースからも確認できましたがそのときミライは「なにかしら?何かが呼んでいるような気がするわ」と。以前、マチルダ中尉のときも同じでしたがアムロ以外だと、このミライがニュータイプに一番近いようです。
そして次に気づいたのが出撃したセイラ。セイラもニュータイプに近いですね。この後アムロのシーンになりますが、色合いが変わった目元のアップの画になり遠くからララァの姿らしき像があらわれてきたシーンの表現がとても印象的です。ガンダムの重要な世界観であるニュータイプ同士の戦いに移っていきます。

初登場キーワード「サイコミュ」。ガンダムシリーズでは重要なキーワードです。フラナガン「・・・サイコミュが人の洞察力を増やすといっても」初見ではまだ何かわかりません。ニュータイプと関連深いだろうというのはわかります。

■シャアの立ち回りの良さがあらわれているセリフ。シムス中尉に「少尉の軍服の用意がないのかと」と言われたが、シャアは「補給部隊には言っているのだがな。こんなぞろぞろした格好で艦の中を歩き回られて困っているのだ」と。要するに補給部隊には軍服を用意しろと言っているのだがまだ用意されていないことを言っています。ところがこのセリフ、後々シャアはキシリアと接見したとき真逆のことを言います。嘘というか方便というか、うまく立ち回っているシャアです。

■シャアとシャリアブルの会話。シャア「で、大尉は私から何を感じるのだね?」シャリアブル「いや、わたくしは大佐のようなお方は好きです。お心は大きくお持ちいただけるとジオンの為に素晴らしいことだと思われますな」・・・シャリアブル「いえ、もし我々がニュータイプなら、ニュータイプ全体の平和の為に案ずるのです」シャア「人類全体の為に、という意味にとっていいのだな?」シャリアブル「はい」。
会話としては成り立っていますが、シャリアブルが言葉を慎重に選んだセリフともみえます。下記のギレンとやり取りした名言も含めて、シャリアブルは気を遣う性格だろうというのがわかります。

■シャリアブルとアムロの戦い。このあたりから登場人物が何か感ずいたこととして、眉間のあたりに光りが走る表現が多くなります。初めてのニュータイプ同士の戦いといっていいでしょう。BGMとともに緊張感・緊迫感を感じます。シャリアブルが気づきましたが「敵のパイロットはこちらの位置と地球の一直線を読めるのか?」これ第3話「敵の補給艦を叩け!」で逆光で戦うことを避けることに気づいたアムロにつながっています。アムロがブラウブロを見つけたときの眉間の光シャリアブルがアムロに見つけられたとき、顔に白い光のような気づきを表した演出も適切に表現して印象的です。

この回の名言

ブライト「指揮官として確認したまでだ。信じているよ」

シャアからセイラへの贈り物を知ったブライト。「セイラ、君を信じているが、戦いに私情は持ち込むなよ」セイラは「ブライトさん、私の今までの行動は嘘ではなくてよ」と。もちろんここまで来て寝返られては困るのであくまで指揮官としての確認は必要だろう。企業の上司・管理職も部下のことを信じているが、あくまで管理職として確認する必要はあります。そのうえで、こうしたブライトのセリフが必要ということになります。

アムロ「なにか、呼んでいるような気がする。なんだ?なにかが見えるようだ。なんだ?」

出撃してまだエルメスを確認していないとき。遠くからララァを感じる様子をあらわしたセリフ。ニュータイプの共感、コミュニケーションが何なのか?まだわからない状態です。上記項目もご参照ください。

シャリア・ブル「わたくしには閣下の深いお考えはわかりません。しかし、わかるように努力するつもりであります」

ギレンから「私がなぜ君をキシリアのもとにやるかわかるか?」と問われ、「ニュータイプならどう答えるか?」と言わんばかりの冷たい笑みを浮かべたギレンの顔が映ったあとのセリフ。シャリアブルはうまく答えたと思います。ギレンは「それでいい、シャリア・ブル。人の心を覗きすぎるのは己の身を滅ぼすことになる。ただ、私が君をキシリアのもとにやることの意味は考えてくれ」と。
この言葉が後ほどシャアが「それに、シャリア・ブルのことも考えてやるんだ。彼はギレン様とキシリア様の間で器用に立ち回れぬ自分を知っていた不幸な男だ。潔く死なせてやれただけでも彼にとって」と言っていた意味がわかります。下記「戦いは危険を冒してはならぬ」のシーンのセリフです。

ブライト「以前と同じように君を扱うだけだ」

ブライトとセイラの会話。企業でいうと1on1面談ですね。セイラが艦に残ることについてブライトは「セイラの選んだ道はつらいぞ」と労いの言葉をかけました。そのあとに出た言葉が「わかった。以前と同じように君を扱うだけだ」と。これだけでセイラに対する見方は以前と変わらないことを示すセイラを安心させる言葉です。指揮官としての適切な言葉だと思います。その後も「いや、君の強さには敬服するだけだよ」「頭で考えるほど楽なことではないと思うがな。ま、あてにするぞ、セイラ」と言葉を添えました。ただ・・・ブライトはセイラの手を触ったのでこれは今ではNGですね。

シャア「戦いは危険を冒してはならぬ」

今までのシャアの戦い方を見ているとよくわかる言葉です。そして続けた言葉が「ララァ、ニュータイプは万能ではない。戦争の生み出した人類の悲しい変種かもしれんのだ」と。それ言っちゃおしまいでしょと思いますが。。。

この回の登場人物

アムロ・レイ

フラウ・ボゥ

ブライト・ノア

カイ・シデン

ハヤト・コバヤシ

ミライ・ヤシマ

セイラ・マス

マーカー・クラン
オスカ・ダブリン

オムル・ハング

カツ、レツ、キッカ

レビル将軍


シャア・アズナブル大佐

ララァ・スン少尉

フラナガン

ギレン・ザビ総帥

キシリア少将

シャリア・ブル大尉(戦死)

シムス・アル・バハロフ中尉(戦死)

この回の登場モビルスーツ他

ガンダム

Gファイター

ガンキャノン

ガンタンク

ホワイトベース

マゼラン

サラミス

コロンブス補給艦

ジム


シャア専用ゲルググ

エルメス(初登場)

ブラウブロ(久々の登場)

ドム

ザンジバル

ムサイ

空母ドロス


ソロモン


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