第34話「宿命の出会い」

あらすじはガンダム公式Webをご覧ください。http://www.gundam.jp/story/index.html

この回のポイント

  • タイトルの通りアムロとシャアが初めて出会う
  • ニュータイプ・ララァの登場
  • アムロと父テム・レイの関係
  • ミライとカムランとスレッガー中尉のやり取り

この回の好きなところ

■アムロがララァと初めて出会う重要なシーン。ララァの家に雨宿りしたとき、ニュータイプの勘が働いたのかアムロが何かに気づきました。映像では額から火花のような演出がありゆっくり顔を動かして歩いた先にララァが居ました。最終回のエンディングにも使われているBGM「宇宙よ」が流れ、アムロとララァのやり取りがゆっくり進み、全体に霧のようなぼかしが入って雰囲気が印象的です。

■シャア「やむを得んな。ドズル中将もコンスコンも目の前の敵しか見ておらん。その点キシリア殿は違う。戦争全体の行く末を見通しておられる」「うん、実戦に出るのも間近い。そうしたらわかる。・・・」これはニュータイプ・ララァのことを指しています。はじめドズル中将の下だったシャアは、キシリアの下につくようになりニュータイプを実戦投入することに力を入れていくようになります。実際の企業内でも部署の同士で方針が合わず争っているケースは多々あり、生産性を落としています。

■サイド6の港にホワイトベースとザンジバルという敵同士が同時に入港しているシーン。カイ「漫画だよ漫画。いっそのこと敵さんをここへお迎えしてパーティーでも開きますか。ね?」と。中立サイドという設定だから、それまでのロボットアニメならやらないであろうシーンが実現しています。

■アムロが父テム・レイに再度会いに行ったとき、さほどやり取りしませんでした。というより、まともにコミュニケーションできない状態の父に対し、色合いを変えた画でアムロの悲しみを感じます。父の後ろ姿をかき消すかのようにバギーで走るシーンに移る演出が凄いです。

■サイド7での父との出来事を思い出しながらバギーを走らせますがその直後、ぬかるみにタイヤをとられバギーは立ち往生してしまいます。それが宿命の出会いのきっかけとなります。アムロとシャアの初めての出会い。重要なシーンです。

アムロが緊張した言葉と表情でシャアと会話しながらも、ニュータイプの勘が働いたのか『始めて会った人だというのになぜシャアだってわかったんだ?それにあの子、ララァといったな?』と自問自答し、この意味深なBGM「新たなる覚醒」とともに重要なシーンを象徴しています。

シャアが縄をはずし自車に戻るときアムロとすれ違いますが、アムロは考え中なのかシャアが通り過ぎたあと遅れて顔をシャアに向けます。そんな動きの演出がとても印象的です。緊張しながら「…い、いえ、その、あ、ありがとうございました。じゃ、これで僕は」目線を合わさず去っていきました。下記シャアの名言もご参照ください。

■カムランがホワイトベースに到着しブリッジでのやり取り。ジオンには攻撃させないために自分が盾になるという提案をミライは拒否しようとし、しまいにはミライとカムランの個人間の小競り合いになります。そんなときスレッガー中尉がミライを平手打ちします。その後のやり取り含めて下記スレッガー中尉の名言もご参照ください。平手打ちを受けたことが決定的かどうかはわかりませんが、男気あふれる言動でミライはスレッガー中尉に好意を持っていきます。
そんなことがあったとはつゆ知らず、アムロは「上で何かあったんですか?」と聞きますがスレッガー中尉に「子供には関係ないの。俺は主砲に行くよ」と言われてしまいました。こういう一見不要そうなシーンが大事なんですよね。

■ふられた優男カムラン。戦いが始まる前に通信通話でも断られました。ホワイトベースのブリッジ横に行くよう指示す、ミライの姿を見ることに。確かに優男の情けない姿をみましたが、男としては共感できる部分もあるのでは?前回の最後にミライは「戦争がなければ。け、けどね、そうじゃないわ。カムラン、あなたは戦争から逃げすぎて変わらなすぎているのよ」と言っていて、平和に生きてきたカムランと生きるのに精一杯だった自分(ミライ)と違いがわかり、さらに戦場を生きてきたスレッガー中尉の登場で明確に気づき、カムランとは結婚できないと思ったのでしょう。ブライトが戦闘開始の指示をしたとき、うつむいていたミライは思いを振り切るかのように前を向き「はい」と言いました。このような細かい演出がとても好きです。

■戦闘中、テレビ局が中継をしているシーンがあることにより、単なるロボットアニメ・戦争アニメとは違い現実を描いているようにみえるのがリアルロボットアニメといえます。戦争の生中継をお茶の間でテレビで見ることができるという、1979年にその発想があったことが凄い!

■アムロがドムとの戦闘シーン、勘が冴えてきたのか顔のあたりに雷形状のひらめいたような演出があります。時々このような演出がありますが、人間の思念やひらめきを上手く表現していると思います。その様子を見てブライトが「何があったんだ?今日のアムロは勘がさえている」と気づきました。

■チベを倒した後のシーン。画がシャアとララァに移り、父テム・レイ、カムラン、ミライ・・・と、この回関わった人物が登場。最後に「サイド6」とつぶやいて父の件で涙を流すアムロシャアに出会ったり、ララァに会ったり、父テム・レイと再会したりと盛りだくさんの回でした。

この回の名言

ブライト「ハヤト、このサイドで戦闘を行えば我々がどうなるかわからないお前でもなかろう」

ホワイトベースのいる港にザンジバルが入港した際、ハヤトが「ゆ、許せない・・・ど、どこって。リュウさんを殺した敵が目の前にいるんですよ」とブリッジを飛び出そうとしたときのブライトのセリフ。ハヤトを尊重しつつも刹那的な行動を注意する冷静な言葉だと思います。

シャア「アムロ?不思議と知っているような名前だな」

それに対しアムロは『そ、そう、知っている。僕はあなたを知っている』と心の中でつぶやきます。その後もシャアとのやり取りで『あれがシャアか。シャア、アズナブルといったな』『始めて会った人だというのになぜシャアだってわかったんだ?それにあの子、ララァといったな?』とアムロは考えますが、シャアも同様に勘が働いたのかこのような言葉が出たのでしょう。それが宿命の出会いのシーンですね。

スレッガー中尉「本気なら殴れるはずだ」

上記説明もご参照ください。カムランに向けて言ったセリフ。ミライがカムランの厚意を断ったところに「この人は本気なんだよ。わかる?そうでもなきゃこんな無茶が言えるか。いくらここが中立のサイドだからといったところでミサイル一発飛んでくりゃ命はないんだ、わかる?」カムランに「あんたもあんただ、あんなにグダグダ言われてなぜ黙ってる?」カムランは「殴らなくたって話せば」と言った後のセリフ。「そ、そんな野蛮な」と優男らしい言葉が出ますが、スレッガー中尉は「そうだよ、カムランさん、気合の問題なんだ」と。スレッガー中尉とカムランの正反対な性格が表れています。

ブライト「お気持ちが変わらなければお願いできませんか?」

上記スレッガー中尉のやり取りの後、ブライトがカムランの気持ちを確認し厚意を受け入れるセリフ。「お気持ちが変わらなければ」という言い方が大人な言葉で、僕もたまに使うことがあります。

シャア「よく見ておくのだな。実戦というのはドラマのように格好のよいものではない」

実戦のみならず、私たちには現実はドラマのように格好のよいものではないと教えてくれる名言。

この回の登場人物

アムロ・レイ

フラウ・ボゥ

ブライト・ノア

カイ・シデン

ハヤト・コバヤシ

ミライ・ヤシマ

セイラ・マス

マーカー・クラン
オスカ・ダブリン

ジョブ・ジョン

カツ、レツ、キッカ

スレッガー・ロウ中尉

テム・レイ


シャア・アズナブル大佐

ララァ・スン(初登場)

マリガン中尉

ドズル・ザビ中将

コンスコン少将(戦死)


カムラン・ブルーム検察官

この回の登場モビルスーツ他

ガンダム

結構な戦いの回でしたが登場しませんでした・・・Gファイター、ガンキャノン、ガンタンク

ホワイトベース


ザンジバル

リックドム

チベ

ムサイ


サイド6

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